<協力>シンポジウム:封鎖都市と演劇身体 GLOBAL PANDEMIC 2020の中に如月小春を甦らせる(11/29開催)

シンポジウム 封鎖都市と演劇身体 GLOBAL PANDEMIC 2020の中に如月小春を甦らせる

如月小春(1956-2000)が駆け抜けたのは世紀末の東京であり、日本だった。2020年は、彼女の思いがけない急逝からちょうど20年後に当たる。コロナ・パンデミックが吹き荒れるこの「20年後の世界」に、如月小春を呼び戻してみたい、そのような思いでこのシンポジウムは企画された。1970年代末から90年代末まで、如月が疾走した20年間を、その死を境にしてちょうど等距離にある時点から振り返り、彼女の声と対話しながらその演出家・戯曲家としての先見性や同時代性、私たち自身の未来への手がかりを探索する。

このシンポジウムでは、オンライン会議の特性を利用し、如月小春は声で登壇する。20世紀末都市の中での演劇の場所(セッション1)、1990年代のアジアと日本、そして女性たちの声の場所(セッション2)、演劇人如月小春とは何者だったのかという問い(セッション3)、という3つのテーマを設定し、それぞれのテーマに関連して如月自身に発言していただく。その発言から出発し、彼女のことを熟知する、あるいはその戯曲や舞台を通じて知る、さらには彼女が起こした流れの先で先鋭な活動をしている方々に如月の現在を語っていただこうと思う。

本シンポジウムは、文字だけでなく、映像や音声のアーカイブ資料を通じて過去と対話できるようになった時代、演劇的なるものはいかなる身体や場のなかに成立するのかを考える実験的な試みでもある。

開催日時 2020年11月29日(日) 13:00~18:30
開催形式 ウェビナー視聴/無料
申込方法 https://zoom.us/webinar/register/WN_YmrhyvCkT_ez5MbCUln2wg 
     こちらより事前に登録ください。(定員・先着500名)

主催:東京大学ヒューマニティーズセンター、東京大学大学院情報学環吉見研究室
共催・協力:東京文化資源会議、兵庫県立こどもの館、アジア女性舞台芸術会議、早稲田大学演劇博物館、芸術公社ほか


シンポジウム・プログラム

13:00~13:10 企画趣旨の説明 吉見俊哉(東京大学教授)

13:10~14:40 セッション1 20世紀末都市の彼方からーー消費都市と演劇する身体

原点は都市だった。というか、原点ならざる出発点が都市だったと言うべきか。1960年代の復興都市から80年代の消費都市への変容のなかで、如月の演劇活動の地平は、役者の身体を記号の塊りとして捉え返すことで、ある質的転換を経験した。もちろん、その背景にあったのは巨大な消費都市東京であり、この転換はすでに70年代末の比較的早い時点でなされたのだった。この転換によって、如月は80年代の演劇シーンの旗手となった。80年代の同時多発的な動きのなかで、如月小春とは何者だったのか。また、如月に続いて演劇やアートの諸領域で活躍していく世代にとって、如月が見ていた都市とは何か。40年の時間の壁を逆に越えつつこの問題を考え直す。

<パネリスト>  
如月小春
細川周平(音楽学者、国際日本文化研究センター名誉教授)
土佐尚子(メディアアーティスト、京都大学教授)
高山明 (演出家、東京芸術大学准教授)
堀内仁 (演出家、LABO!)
司会進行 吉見俊哉

インターミッション(映像):アジア女性演劇会議の意思を受け継ぐ形で始まったアジア女性舞台芸術会議のマレーシア紀行2015

15:00~16:30 セッション2 ニッポンの終わり、浮上するアジアと女性

1990年代、如月小春は記号から女性へ、都市からアジアへ、その身体へのこだわりを維持しつつ旋回する。バブル崩壊よりもずっと前に、都市の感覚者たちは、日本の現代都市の先端風景には見切りをつけていた。もう、東京は終わっていたのである。その先にアジアがあったというほど話は単純ではないが、それでも女性演劇人たちのトランスナショナルな繋がりがアジアで広がったことは意味があった。如月は岸田理生とともにアジア女性演劇会議を形成し、また震災後の神戸の子どもたちの心とからだに関与していく。それは、決して何かを支援するという類ではなく、演劇の再生のためにそれが必要だったからそうなったということなのだろう。

<パネリスト >   
如月小春
李静和(成蹊大学教授)
矢内原美邦(振付家・演出家・劇作家、アジア女性舞台芸術会議代表)
羊屋白玉(演出家・劇作家・俳優、アジア女性舞台芸術会議代表)
相馬千秋(アートプロデューサー、芸術公社代表理事)
司会進行 吉見俊哉

映像(インターミッション):如月小春が疾走した1980~90年代

16:50-18:20 セッション3 廃墟のなかから:身体と声、言葉を立ち上げる

それでも、やはり原点は演劇である。舞台における身体と言葉、声の関係のなかに、そして観客の前に何を存在させるのか。如月はここにこだわり続ける点で何よりも演出家であった。そして彼女がこの原点で最も意識していたのが、野田秀樹であったことも疑いようもない。野田から見た如月と、如月に続いた世代にとっての如月は、異なる像を結ぶだろう。さらに90年代、如月は大震災前後の兵庫県でも、子どもたちの演劇活動に関与していた。1980年代から90年代までを通じた如月の軌跡をたどりつつ、そこに存在した言葉と声、身体の関係を検証する。

<パネリスト>
如月小春
野田秀樹(演出家・劇作家・役者、東京芸術劇場芸術監督、多摩美術大学教授)
横山佐和子(兵庫県立こどもの館館長)
外岡尚美(青山学院大学教授)
内野儀(学習院女子大学教授)
太下義之(同志社大学教授、国立美術館理事)
司会進行 吉見俊哉

18:25~18:30 閉会の辞  瀧川真澄(女優、2020如月小春プロジェクトコーディネーター)

登壇者プロフィール(PDF)はこちら