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【募集】港区立みなと芸術センター整備に向けた旧三田図書館活用モデル事業 みなとコモンズ「コモニング・ファシリテーター」(7/21締切)

2024.07.07
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芸術公社は、令和9年度に港区に新設される、港区立みなと芸術センター(以下「みなと芸術センター」といいます。)の開館にあたり、令和6年度のプレ事業を港区より受託しています。今年度のプレ事業は、令和6年3月に改定した「港区文化芸術振興プラン 令和3年度~令和8年度」を踏まえ、みなと芸術センターが全ての区民に愛される施設となるよう、区民の文化芸術への理解を促進するとともに、開館に向けて文化芸術団体や研究機関、区内福祉施設等の地域との関係性を構築することを目的としています。区民等が文化芸術に関心を持ち参加できる事業として、リサーチ&ツアー型ワークショップ、旧三田図書館活用モデル事業、シンポジウムを行う予定です。そのなかで、旧三田図書館活用モデル事業「居場所づくり(区民や文化団体等が集い、交流することができる拠点)」における空間設計、対話型のワークショップや交流会の企画を担う「コモニング・ファシリテーター」を募集します。

【募集概要】

1.事業内容と目的

「居場所」としての「みなとコモンズ」の試験的運用

旧三田図書館(〒108-0014 東京都港区芝5丁目28-4)は、田町駅・三田駅から徒歩2分、かつ周辺の慶応義塾大学や多数の学校もあるエリアに立地し、地域住民から在学・在勤者、高齢者から子育て世代に至るまで、年間80万人を超える利用者に愛されてきた施設でした。図書館としての役割は2022年に移転しましたが、この図書館が担っていた「居場所」としての役割は多くの区民の記憶に残り、そのニーズも薄れていません。 本事業は、旧三田図書館が担っていた「居場所」機能を引き継ぎ、場の開放を行いながら、今後みなと芸術センターが開館後に担うべき事業のモデル展開として、「みなとコモンズ」と称し、そこで様々な文化イベントを試験的に実施します。港区が掲げてきた「共生社会の実現」が実際にいかに可能なのか、旧三田図書館を拠点にし、コミュニティ・ケアの実践を行いながら、多様な価値観が交錯する場の創出を目指します。

2.コモニング・ファシリテーターとは

本事業では、場づくりやコモニングを専門とするファシリテーターを2組配置し、「みなとコモンズ」の具体的な空間設計を担ってもらいます。「コモニング」とは、共有地としての「コモンズ」を編み上げ、刷新し、そこに集まる人たちの「関係性」を生み出していく行為をさします。学校や職場、家庭といった所属感の強いコミュニティに対して、ただ流動的に存在できる「居場所としてのコモンズ(共有地)」とはどういうものなのか。年齢、障害の有無、国籍、性的指向等に関係なく人々が集うためのルールづくりをはじめとして、ケアのあり方をアップデートできるようなイベントの企画・進行を中心に行ってもらいます。

コモニング・ファシリテーターの1人(組)は、人と文化と言葉の間でコミュニケーションを媒介するアートトランスレーターとして、領域横断的に活動している田村かのこ氏が務めます。今回の募集では、田村氏のパートナーとして、主体的かつ柔軟に、協働してくださる方を公募します。(田村氏プロフィールについては、本概要末尾をご参照ください)

3.主な業務内容

(1)港区内の異なるプレイヤーをつなぐ場の形成に向けたリサーチとヒアリング

「みなとコモンズ」では、港区で活躍する今まで関わりを持つことのなかった異なるプレイヤーがつながり、「多分野協働」「多職種連携」が活発に行われる場として機能することを目指します。そうしたネットワークを構築するために、コモニング・ファシリテーターが主体となって、港区に多数存在する文化団体や文化施設、福祉施設(高齢者・障害・子供)、地域活動の拠点や宗教施設、研究・教育機関、各国大使館や外国人コミュニティ等へ出向き、リサーチの協力依頼やヒアリングを行います。そこから可視化された地域課題を、創造的な手法を使い、いかに乗り越えることができるのかについて考えたり、実践したりする交流会等のイベントを準備します。

(2)交流会の企画・進行

「みなとコモンズ」を居場所として利用する人々が、それぞれの知恵や興味関心をもちより、共有する交流会を定期的(全体で5回程度を予定)に開催します。2組のコモニング・ファシリテーターが交互に進行役となりコモニングの実践として、「みなとコモンズ」に集う人々と共に自治的なプロセスを経て実施内容を決めます。交流会におけるコモニングの手法としては、以下のような例を想定しています。

  • 集団での飲食
  • バザー、のみの市
  • 相互ケアの実践
  • 外国人コミュニティとの対話
  • マップ作成
  • ZINEの作成
  • ギャラリーとしての活用

また、コモニング・ファシリテーターは、交流会のない日にも、定期的に旧三田図書館に滞在し、居場所の見守りをしてもらいます。

(3)「対話と学びのワークショップ」、他プレ事業への参加

昨年度の「対話と学びのワークショップ」を引き継ぎ、みなと芸術センターで活動する未来の「市民コラボレーター」の育成を視野に入れた対話型のワークショップを継続的に実施予定です。具体的には、「コモニング」を通年のテーマとし、その研究者や実践者、コミュニティ・デザイナー、建築家、社会関与型の芸術実践を行うアーティスト等をゲスト講師として招き、対話型のワークショップ(全体で5回程度)を開催します。このワークショップに、コモニング・ファシリテーターは進行役の1人として参加してもらい、ゲスト講師と参加者をつなぐ媒介者の役割を担います。また今年度、プレ事業として実施するリサーチ&ツアー型ワークショップ、シンポジウム等にも何らかの形で参加します。

(4)報告書の作成

活動終了後に、「みなとコモンズ」での約半年間の活動内容を報告書として提出します。

4.対象

下記すべてにあてはまる方を対象とします。

  • みなと芸術センタープレ事業「みなとコモンズ」における「居場所づくり」の趣旨を理解し、その実現に向け自らの専門性や関心をもとに活動を主体的に行える方
  • 2024年8月~2025年3月の期間に、週に数回程度(要相談)、旧三田図書館に通うことができる方
  • これまでに3年以上創造的な場づくりの研究調査、経験・実績を有する方(ご自身で創造的活動、創造性をつなぐ活動をなさっている方を歓迎します)
  • 何らかのサポートを必要とする外国人、高齢者、子ども、障害者が参加可能な交流会を展開できる方(アクセシビリティに関する専門知識、日本語以外の言語でのコミュニケーションが可能な方を歓迎します)

5.募集人数

1組(コレクティブも可)

6.活動期間

2024年8月~2025年3月

7.スケジュール(予定)

  • 8月~9月:居場所としての「みなとコモンズ」の空間設定、ルール決め。区内施設へのリサーチ・ヒアリング開始。交流会の企画。
  • 10月~2月:「みなとコモンズ」始動。第1回目交流会、「対話と学びのワークショップ」実施。
  • 1月:シンポジウムへの参加。
  • 2月:最後の交流会では、活動報告回を実施。
  • 不定期:居場所の見守り、区内施設へのリサーチ・ヒアリング

8.謝礼

80万円(税込)

9.応募方法

Googleフォームにて受け付けます。必要事項をご記入し、以下よりお送り下さい。

※応募に当たってご記入いただく個人情報は、選考の目的以外には使用しません。

10.募集期間

2024年7月8日(月)~7月21日(日)必着

11.選考スケジュール

  1. 書類審査結果通知:令和6年7月22日(月)までに、合否に関わらず応募者全員へメールにてご連絡します。
  2. 面接実施:令和6年7月26日(金)※書類審査通過者を対象に、原則オンラインで行います。
  3. 面接結果通知:令和6年7月31日(水)までに、合否に関わらず全員にご連絡します。

12.その他

  • 港区は、みなと芸術センタープレ事業の実施にあたり、その業務を特定非営利活動法人芸術公社に委託している為、みなとコモンズ「コモニング・ファシリテーター」の募集についてのお問い合わせ等につきましては、特定非営利活動法人芸術公社までお願いします。
  • 期間中のコモニング・ファシリテーターの活動について、港区に過失がない場合は、一切の責任を負いません。 
  • 応募の際には、港区ホームページにて、港区文化芸術振興プラン(令和3年度~令和8年度)および文化芸術ホールの重点的な取組等について、ご確認ください。

田村かのこプロフィール:

Art Translators Collective代表。アートトランスレーターとして、日英の通訳・翻訳、コミュニケーションデザインなど幅広く活動。人と文化と言葉の間に立つ媒介者の視点で翻訳の可能性を探りながら、それぞれの場と内容に応じたクリエイティブな対話のあり方を提案している。札幌国際芸術祭2020ではコミュニケーションデザインディレクターを務めた。東京藝術大学大学院美術研究科グローバルアートプラクティス専攻非常勤講師。NPO法人芸術公社所属。

13.問い合わせ先

特定非営利活動法人芸術公社 artscommons.tokyo.inquiry@gmail.com

チラシデータ

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