百瀬文『鍼を打つ』
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作品紹介
体と演じること、眼差しと欲望、セクシュアリティとジェンダーについて、映像やパフォーマンスなど多様な方法でアプローチを重ねてきたアーティスト、百瀬文。そこに通底するのは、人間や生命同士が触れ合い、欲望し合い、すれ違う時に生じる緊張と葛藤、その背後に存在する不可視の抑圧や社会規範への強い問題意識だ。
今回百瀬は、鍼治療を取り入れたパフォーマンス作品をあらたに創作する。東洋医学に基づく鍼治療では、微細な異物としての鍼を身体に侵入させることで刺激し、全身に効果を循環させていく。百瀬は、このプロセスに触覚的かつ聴覚的な仕掛けを加え、観客の身体そのものの中に、未開の感覚とイメージを立ち上げていく。
接触がタブーとなったコロナ禍において、あえて鍼という異物を介して接触を試みる一連のセラピー/パフォーマンスは、意識と無意識、痛みと快楽、治療と官能など、超えられない一線を超えていくスリリングな体験を私たちにもたらすはずだ。
アーティスト
百瀬文(ももせ・あや)
1988年東京都生まれ。アーティスト。パフォーマンスを記録するための方法としてビデオを用いはじめ、撮影者と被写体のあいだの不均衡性を映像内で再考させる試みを行う。近年の主な個展に「サンプルボイス」(横浜美術館アートギャラリー1、2014年)、主なグループ展に「戦争画STUDIES」(東京都美術館ギャラリーB、2015年)、「アーティスト・ファイル2015 隣の部屋――日本と韓国の作家たち」(国立新美術館、韓国国立現代美術館、2015-16年)、「六本木クロッシング2016展:僕の身体、あなたの声」(森美術館、2016年)などがある。2020年には自身の個展「I.C.A.N.S.E.E.Y.O.U」や遠藤麻衣との共作展「新水晶宮」を開催、セクシュアリティやジェンダーへの問いを深めている。
作品クレジット
構成・演出|百瀬 文
鍼師|石上絵里奈、久世綾乃、佐藤太一、中島瑞穂、長谷川洋介、比嘉優貴、松波太郎、和田彩芽
ナレーション|はぎわら水雨子
製作|シアターコモンズ
上演記録
シアターコモンズ’21
2021年3月6日~10日
世界演劇祭2023
展示 6月30日〜7月2日、7月3日〜9日、7月11日〜16日
パフォーマンス 2023年7月1日、2日、7日〜9日
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