PROJECTS

藤井光『日本人を演じる』

  • 作品プロデュース
  • プロデュース事業
  • 主催

作品紹介

―社会について鋭い問いを投げる藤井光が、現代における分断の起源を、観客とともに探る―

美術家、映画監督である藤井光は、近年、自らの作品を通じて、国内外で歴史のなかで生まれ培われてきた政治や社会の問題に向き合ってきた。リサーチに基づいた歴史的事実をそのまま提示するのではなく、現実社会と繋げることにより、自らが生きる現代の問題として捉え直す試みを継続的に行っている。

今回、シアターコモンズでは、藤井が専門とする映像制作の現場を、参加者とともに作り上げるワークショップを行う。

主題とするのは現在、世界が直面している社会やコミュニティの分断。参加者が「日本人を演じる」「演者」として再演「リイナクトメント」することにより、身体的な体験として可視化する。

いま、世の中を席巻している分断の起源はどこにあるのか。分断の背景となっている現代社会の諸問題—災害によって離散した共同体、過疎化、移民、そこから生まれる差別の問題—を、過去に実在した行為や言動を通じて参加者自身が内在化しつつ、撮影という外からの視線を加えることで客体化し、参加者が自ら問いかける状況を創出する。

この「演習」を通じて、出口の見えない問題解決の糸口を探りあてることは果たして可能なのだろうか。

アーティスト

藤井光(ふじい・ひかる)

1976年生まれ。芸術は社会と歴史と密接に関わりを持って生成されているという考え方のもと、既存の制度や枠組みに対する問いを、綿密なリサーチやフィールドワークを通じて実証的に検証し、実在する空間や同時代の社会問題に応答する作品を映像インスタレーションとして制作している。最近は日本の近代に国内やアジアで構築された教育および社会制度や、博物館や美術館のあり方について問う作品を継続的に発表している。

クレジット

上演記録

シアターコモンズ’17

2017年1月30日、31日

プロジェクト一覧へ戻る